【忠房×INX SLD鋼料理包丁概略】 青紙鋼でしつらえた鯵切りとペティナイフを販売して以来、多くの方から頂いた「出刃や柳刃や三徳包丁も!」の声に押されて企画しました。 本職が使うようなホンモノの切れ味を持ち、所有欲を満たしてくれてなおかつ使いやすくメンテナンスも楽な、SLD鋼材で作られた料理包丁です。鍛冶元である忠房の社長と何度も協議やプロト製作をを重ね、納得のいく鋼素材と刃姿(価格帯を含む)や柄材の入手がようやく決定し、生産ラインを確保できましたのでご案内致します。
Lineup
サバキ七寸 柳刃 右利き用13,000円 左利き用14,200円
サバキ五寸 出刃 右利き用12,000円 左利き用13,800円
サバキ六寸 三徳 右利き・左利き両用13,000円
Gallery
今回使用した鋼材は青紙鋼ではなく、たたら製鉄の伝統を守る日立金属が開発したSLD鋼(D2鋼)です。この鋼材は高級ナイフなどによく使われる鋼材でもあり、切れ味鋭く錆びにくいのが特徴で、忠房が料理用包丁素材として自信を持ってイチオシする素材でもあります。
前回の鯵切りとペティナイフは青紙鋼をステンレスでサンドイッチした三層構造の両刃作りでしたが、今回は出刃と柳刃ですので、和包丁の伝統形状である片刃作りにする場合は必然的に三層構造材は不向きです。したがって錆びやすい青紙を採用せず、「セミステンレス」とも呼ばれるほど錆びにくくて炭素鋼に近いほどの切れ味も望めるSLD鋼の採用としました。
青紙鋼は素晴らしいのですがやはり錆びやすく、一般家庭では鯵切りやペティより出番の少ない出刃や柳刃を「錆びさせない」という、メンテナンス重視でSLD鋼の方が向いているというのが忠房社長の結論でした。もちろんSLD鋼の切れ味は調理の本職や高級ナイフブランドが多く使用するところからも伺えるのです。
柄材は出刃・柳刃双方共に鯵切りと同じ炭化木(栗材)の抗菌仕立てを使用。腐りににくく割れにくい長持ちする素材です。
刻印は刃が二層のため、表のステンレス側(裏面はSLD)へ配しました。本来は【忠房】の意匠に敬意を表して反対側へINXロゴを入れたかったのですが、今回は構造上しかたの無いことでした。
「引いて切る」という日本刀の流れを汲む和包丁の反り(カーブ)は本当に美しい。日本刀ほどは反らせず、日本食には欠かせない精緻な調理技術を実現させるために洗練された伝統の形なのです。
本格的に作られた和包丁には洋包丁や中華包丁にはない特徴がもう一つあります。それは「梳き(すき)」という行程です。この写真はその梳きが行われている裏面の画像です。表側と違って刃の輪郭部分と中面には段差(窪み)が付けてあるのです。
この窪みが刺身等を引いたときに食材との間に空気層を作り、刃に食材がくっつくのを防いでいるのです。そして当然この行程は手間が掛かる物ですし、工房の腕が競われる部分でもあるのです。
高級鋼材を使用し、オリジナルに作られたこの包丁の価格は素晴らしくリーズナブルでもあります。数ある包丁工房の中でも、永らく漁業用刃物を製作していた流れから「良い物を実用価格で」と半量産化を実現させた忠房ならではの結論と、さらにインクスのこだわりを盛り込んで、このクラスとしてはかなりの低価格で製作する物なのです。
店主の台所にあった三徳包丁は一応「燕三条○○謹製」でそう安物でも無かったのだけど、いかんせんやはり普通のステンレス。青紙やSLDと比べると切れ味がイマイチであるし、何より刃持ちが悪いのです。キャベツやジャガイモや肉しか切らないのだけどすぐにナマクラになってしまい、それがストレスになってどうしても調理が楽しくない。と言うことで今回、「忠房×INX」のシリーズに新たに三徳も加えました。
作りは刃材がSLD鋼材で、外側ステンレスの三層構造。柄は柳刃及び出刃と同じ抗菌処理を施した栗材を使用。これで普段使いの包丁も切れ味鋭くメンテナンスも楽に。きっと奥方も喜ぶことになるでしょう。
所有感とお手入れのし易さの同居
料理は好きなので本格的な包丁は欲しかったが、あまりマメではない性格故にお手入れに心配があり手を出せなかった。
しかし、購入した物は見た目と柄の素材へのこだわりが感じられ、且つ使う人のニーズに合わせて考えられており、所有感も満たされるのと同時に非常に使い易い包丁に仕上がっていると思います。
左利き用があるのが本当に有難い。出刃と柳刃。
私、釣った魚、もらったヤズ、ブリでさえ自宅にあったステンレスの三徳包丁で何とかさばいておりました。
流石にいるだろうと、左利き用があるので出刃と柳刃を買いました。
今までなぜ買わなかったのだろうと思うくらいの切れ味。
出刃に至っては切れ味も素晴らしく、スッと身に入っていき、綺麗に三枚おろしができます。
柳刃に至っては、自宅のキッチンにて長すぎず丁度良い。そして刺身に引くときに根元から先端に身を引いて走らせる。
切れ味のすばらしさで綺麗に刺身ができます。
長く使って行こうと思います。
料理が好きになります。
初めてのしっかりとした包丁購入ということもありますが、2年以上たった今でも愛着がもあります。
下手くそながら研ぎもやっております。
とにかく、切れます。もう他の包丁は使えないです。
これからも愛用します。